Use Cases (更新: 2026/6/2)

Claude Codeで正規表現を作る方法: メール・電話・ログ抽出をテスト付きで安全に進める

Claude Codeで正規表現を作成・デバッグする実践手順。メール、電話、ログ抽出、テスト、落とし穴まで解説。

Claude Codeで正規表現を作る方法: メール・電話・ログ抽出をテスト付きで安全に進める

正規表現でつまずく原因は、記号を覚えていないことよりも「何を許可して、何を拒否するか」が曖昧なまま書き始めることです。メールアドレス、電話番号、ログ行、URL、CSVの一部など、対象が少し複雑になるだけで、動いているように見えるのに本番データで抜け漏れが出ます。

Claude Codeは、正規表現を丸暗記するための道具ではありません。自然言語で要件を渡し、候補パターン、サンプルデータ、テスト、レビュー観点をまとめて作るための相棒です。正規表現とは、文字列の形を条件で表す小さな言語です。名前付きキャプチャとは、取り出した部分に yearrequestId のような名前を付ける書き方です。最初にこの2つを押さえるだけで、読みやすさがかなり変わります。

この記事では、Claude Codeで正規表現を作成・デバッグする流れを、コピペで動くJavaScriptコードと一緒に整理します。対象は初心者ですが、実務で困りやすい「メール」「日本の電話番号」「ログ抽出」「テスト付きレビュー」まで扱います。Claude Codeの基本操作は Claude Code入門ガイド を、依頼文の作り方は Claude Code/Codexプロンプト入門 も合わせて読むとつながります。

公式仕様を確認する入口としては、Claude Code overviewMDNのJavaScript正規表現リファレンス が便利です。Claude Codeは便利ですが、仕様そのものを置き換えるものではありません。

全体像

正規表現をClaude Codeに頼むときは、いきなり「メールのregexを書いて」ではなく、次の順番にします。

flowchart LR
  A["許可したい文字列"] --> C["Claude Codeへ依頼"]
  B["拒否したい文字列"] --> C
  C --> D["正規表現と抽出関数"]
  D --> E["Node.jsテスト"]
  E --> F["レビューと落とし穴確認"]

この流れの狙いは、正規表現を「雰囲気で通す」作業にしないことです。Claude Codeには、成功例だけでなく失敗例も渡します。たとえば user+tag@example.com は通したい、user@.com は落としたい、ログの requestId は取り出したい、個人情報はログに残したくない、という条件を最初に書きます。

Claude Codeへの最初の依頼

最初のプロンプトは短くても構いませんが、用途と合格条件は入れます。

メールアドレス、日本の電話番号、アプリケーションログを扱う正規表現ヘルパーを作ってください。

条件:
- Node.jsでそのまま動くJavaScriptにする
- メールは user+tag@sub.example.co.jp を許可する
- メールは user..name@example.com と user@.com を拒否する
- 電話番号は 090-1234-5678, 03-1234-5678, 05012345678 を許可する
- ログは timestamp, level, service, requestId, message を名前付きキャプチャで取り出す
- node:test のテストも作る
- 正規表現でやりすぎている点があればコメントで説明する

ポイントは「完全なメール仕様に準拠して」と言わないことです。メールアドレスの完全な仕様は広く、入力フォームの実務では厳密すぎても緩すぎても困ります。ここでは、登録フォームや管理画面でよく使う実用的な範囲に絞ります。

実例1: メール・電話・ログ抽出ヘルパー

次のコードは regex-helper.mjs として保存し、node regex-helper.mjs で動きます。メール検証、電話番号検証、本文からの連絡先抽出、名前付きキャプチャによるログ抽出を1つにまとめています。

import { fileURLToPath } from "node:url";

export const emailRegex =
  /^(?!.*\.\.)[A-Z0-9_%+-]+(?:\.[A-Z0-9_%+-]+)*@(?:[A-Z0-9](?:[A-Z0-9-]{0,61}[A-Z0-9])?\.)+[A-Z]{2,63}$/i;

export const emailSearchRegex =
  /[A-Z0-9_%+-]+(?:\.[A-Z0-9_%+-]+)*@(?:[A-Z0-9](?:[A-Z0-9-]{0,61}[A-Z0-9])?\.)+[A-Z]{2,63}/gi;

export const normalizedJapanesePhoneRegex = /^0(?:[5789]0\d{8}|[1-9]\d{8,9})$/;

export const looseJapanesePhoneSearchRegex =
  /0\d{1,4}[-\s]?\d{1,4}[-\s]?\d{3,4}/g;

export const appLogRegex =
  /^\[(?<timestamp>\d{4}-\d{2}-\d{2}T\d{2}:\d{2}:\d{2}(?:\.\d{3})?Z)\]\s+(?<level>INFO|WARN|ERROR)\s+(?<service>[a-z][a-z0-9-]*)\s+requestId=(?<requestId>[A-Za-z0-9_-]+)\s+message="(?<message>[^"]*)"$/;

export function isEmail(input) {
  return emailRegex.test(input.trim());
}

export function normalizePhone(input) {
  return input.replace(/[()\s-]/g, "");
}

export function isJapanesePhone(input) {
  return normalizedJapanesePhoneRegex.test(normalizePhone(input));
}

export function extractContacts(text) {
  const emails = [...text.matchAll(emailSearchRegex)]
    .map((match) => match[0])
    .filter(isEmail);

  const phones = (text.match(looseJapanesePhoneSearchRegex) ?? []).filter(
    isJapanesePhone,
  );

  return {
    emails: [...new Set(emails)],
    phones: [...new Set(phones)],
  };
}

export function parseLogLine(line) {
  const match = line.match(appLogRegex);
  if (!match?.groups) return null;

  return {
    timestamp: match.groups.timestamp,
    level: match.groups.level,
    service: match.groups.service,
    requestId: match.groups.requestId,
    message: match.groups.message,
  };
}

if (process.argv[1] === fileURLToPath(import.meta.url)) {
  const text = "連絡先: user+tag@sub.example.co.jp / 090-1234-5678";
  const log =
    '[2026-06-02T10:15:30.000Z] ERROR billing-api requestId=req_123 message="payment failed"';

  console.log(extractContacts(text));
  console.log(parseLogLine(log));
}

この例では、電話番号を先に正規化しています。正規化とは、比較しやすい形にそろえることです。090-1234-5678090 1234 5678 を別物として扱うより、ハイフンや空白を取り除いてから判定したほうが、正規表現を短く保てます。

ログ抽出では名前付きキャプチャを使っています。match[1]match[2] のような番号だけに頼ると、あとで正規表現を直したときに取り出す列がずれます。match.groups.requestId のように名前で読むと、Claude Codeのレビューでも人間のレビューでも意図が追いやすくなります。

実例2: node:testで回帰テストを付ける

回帰テストとは、一度直した不具合が戻っていないか確認するテストです。正規表現は1文字変えるだけで挙動が変わるため、テストなしの修正は危険です。次のコードを regex-helper.test.mjs として保存し、node --test regex-helper.test.mjs を実行してください。

import test from "node:test";
import assert from "node:assert/strict";
import {
  extractContacts,
  isEmail,
  isJapanesePhone,
  parseLogLine,
} from "./regex-helper.mjs";

test("validates practical email addresses", () => {
  assert.equal(isEmail("user@example.com"), true);
  assert.equal(isEmail("user+tag@sub.example.co.jp"), true);
  assert.equal(isEmail("user..name@example.com"), false);
  assert.equal(isEmail("user@.com"), false);
  assert.equal(isEmail("@example.com"), false);
});

test("validates Japanese phone numbers after normalization", () => {
  assert.equal(isJapanesePhone("090-1234-5678"), true);
  assert.equal(isJapanesePhone("03-1234-5678"), true);
  assert.equal(isJapanesePhone("05012345678"), true);
  assert.equal(isJapanesePhone("123-4567-8901"), false);
  assert.equal(isJapanesePhone("090-123-456"), false);
});

test("extracts contacts from free text", () => {
  assert.deepEqual(
    extractContacts("support: user+tag@example.com, tel: 090-1234-5678"),
    {
      emails: ["user+tag@example.com"],
      phones: ["090-1234-5678"],
    },
  );
});

test("parses application logs with named captures", () => {
  const parsed = parseLogLine(
    '[2026-06-02T10:15:30.000Z] WARN auth-service requestId=req_abc message="retry required"',
  );

  assert.deepEqual(parsed, {
    timestamp: "2026-06-02T10:15:30.000Z",
    level: "WARN",
    service: "auth-service",
    requestId: "req_abc",
    message: "retry required",
  });
});

Claude Codeへは、テスト結果まで確認させます。

regex-helper.mjs と regex-helper.test.mjs を作成しました。
node --test regex-helper.test.mjs を実行し、失敗した場合は正規表現かテストデータのどちらが間違っているか説明してから修正してください。
メール仕様を広げる場合は、許可例と拒否例を追加してから変更してください。

この形にすると、Claude Codeが「なんとなく広い正規表現」に逃げにくくなります。テストケースが、実務上の契約になります。

実例3: ログ抽出で正規表現を使う場面

ログ抽出は、正規表現が得意な領域です。たとえば、障害調査で ERROR だけを拾い、requestId を追跡したいとします。Claude Codeには次のように依頼できます。

logs/app.log から ERROR 行だけを抽出し、requestId と message をCSVにするNode.jsスクリプトを作ってください。
ログ形式は regex-helper.mjs の appLogRegex と同じです。
パースできない行は捨てずに件数を最後に表示してください。
個人情報らしきメールアドレスや電話番号はCSVに出さないでください。

ここで大事なのは、抽出できない行の扱いです。正規表現の記事では成功例だけが目立ちますが、実務ではフォーマットが崩れた行、古いアプリのログ、途中で切れたログが混ざります。null を返す設計にしておくと、Claude Codeに「捨てた件数をレポートして」と依頼しやすくなります。

実例4: Claude Codeへのレビュー依頼テンプレート

正規表現は、書いた本人ほど危険に気づきにくいです。最後にClaude Codeへレビューを依頼します。

## Regex review request

対象:
- regex-helper.mjs
- regex-helper.test.mjs

レビュー観点:
- 許可例と拒否例がテストに入っているか
- メール、電話、ログ抽出の責務が混ざりすぎていないか
- 名前付きキャプチャの名前が用途を説明しているか
- ReDoSにつながりやすい曖昧な繰り返しがないか
- 個人情報をログやCSVに出す処理がないか

出力形式:
- 問題があれば、ファイル名、該当行、理由、修正案を出す
- 仕様として判断できない点は、断定せず質問にする
- 修正後に node --test regex-helper.test.mjs を実行する

ReDoSは、正規表現の処理に極端な時間がかかる攻撃や障害のことです。たとえば曖昧な繰り返しを何重にも重ねると、短い入力でも処理が重くなることがあります。Claude Codeには「ReDoSの観点で見て」と明示します。

使い分けの表

用途正規表現でよい場面別の方法を選ぶ場面
メール検証入力フォームで明らかなミスを落とす本当に届くか確認したい
電話番号国内向けフォームで形式をそろえる国際番号や通信事業者の厳密判定が必要
ログ抽出形式が固定されたアプリログを読むJSONログを扱える環境がある
URL処理短い抽出や検索URLを正確に分解する必要がある

特にURLは、正規表現だけで頑張りすぎないほうが安全です。JavaScriptなら URL クラスがあります。Claude Codeにも「URLの分解は標準APIを優先し、正規表現は抽出だけに使って」と書くと、壊れにくくなります。

よくある落とし穴

1つ目は、成功例だけで作ることです。user@example.com だけを渡すと、Claude Codeは広すぎる正規表現を出しがちです。拒否例を最低3つ入れてください。

2つ目は、.* を雑に使うことです。.* は「何でも何文字でも」という意味で便利ですが、ログやHTMLのように区切りがある文字列では取りすぎます。"(?<message>[^"]*)" のように、終端を具体的に決めます。

3つ目は、g フラグ付きの正規表現を何度も test() することです。JavaScriptの RegExpgy が付くと内部状態を持ちます。検証用と検索用の正規表現を分けると事故が減ります。

4つ目は、キャプチャ番号に依存することです。途中に () を足すと番号がずれます。取り出す目的があるなら名前付きキャプチャを使い、グループ化だけなら (?:...) を使います。

5つ目は、正規表現で業務ルールを完全に表そうとすることです。メールが届くか、電話番号が現在使われているか、ログの requestId がDBに存在するかは、正規表現だけでは分かりません。正規表現は入口の形を整える道具として使います。

現場でよくある失敗は、フォームの入力検証とログ抽出を同じ感覚で扱うことです。フォームでは「ユーザーに直してもらう」ためにエラー文が必要ですが、ログ抽出では「壊れた行を捨てずに件数を残す」ことが大事です。たとえば資料請求フォームで電話番号のハイフンを許可し忘れると、正しい見込み客を落とします。一方で障害ログの抽出でパース不能行を無視すると、あとで「何件落としたのか」が分からず、調査結果を信用できません。Claude Codeに依頼するときは、正規表現そのものだけでなく、失敗時の戻り値、ユーザーに出す文言、ログに残す集計値までセットで書かせると、実務で使える形になります。

収益化につなげるCTA

正規表現の改善は小さな作業に見えますが、問い合わせフォーム、資料請求、決済ログ、サポートログの品質に直結します。まず自分で試すなら 無料チートシート でClaude Codeの依頼テンプレートを手元に置いてください。より実務的なプロンプト集やレビュー手順を整えたい場合は 商品一覧 が入口になります。チームで入力検証、ログ調査、レビュー運用までまとめて導入するなら Claude Code研修・導入相談 で、既存コードに合わせた型を作るのが早いです。

まとめ

Claude Codeで正規表現を作るコツは、記号の知識をAIに丸投げすることではありません。許可例、拒否例、用途、テスト、レビュー観点を先に渡し、生成された正規表現を小さな契約として扱うことです。メール、電話、ログ抽出のような身近な題材でも、テストを付けるだけで保守しやすさは大きく変わります。

この記事で紹介した内容を実際に試した結果、Masaの作業では「正規表現だけを作って」と頼むより、「失敗例とテストを同時に作って」と頼むほうがレビュー時間を短縮できました。特に user+tag のメール、ハイフンあり電話番号、ログの名前付きキャプチャは、テストがないと後から壊れやすい箇所です。Claude Codeにレビュー依頼テンプレートまで渡しておくと、正規表現の便利さを保ちながら、フォームやログ処理の事故を減らせます。

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Masa

この記事を書いた人

Masa

Claude Codeの実務活用、導入設計、収益導線改善を検証しているエンジニア。10言語の技術メディアを運営中。

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