Use Cases (更新: 2026/6/2)

Claude CodeでPython開発を始める実装ガイド|uv・pytest・ruff・FastAPI

Claude CodeでPython開発を始める手順。uv、venv、pyproject、pytest、ruff、FastAPIを初心者向けに実装で解説。

Claude CodeでPython開発を始める実装ガイド|uv・pytest・ruff・FastAPI

Pythonを学び始めた人がClaude Codeを使うと、最初の壁は「何を頼めばよいか」ではなく「どの状態なら動くプロジェクトと言えるか」です。ファイルは作れたのにimportで落ちる、仮想環境がずれる、テストはあるのに実行できない、という失敗はかなり起きます。

この記事では、Claude Codeに丸投げせず、初心者でもレビューできるPython開発の足場を作ります。対象は、uvまたはvenvで環境を作り、pyproject.tomlに依存関係を集め、pytestでテストし、ruffで整形と静的チェックを行い、FastAPIまたはCLIから小さく公開する流れです。

公式仕様は必ず一次情報で確認してください。Claude Codeの基本はClaude Code公式ドキュメント、Pythonのプロジェクト設定はPython Packaging User GuideuvAstralのuvドキュメント、テストはpytest公式、整形とlintはRuff公式、APIはFastAPI公式チュートリアルを参照します。

全体像を先に決める

Claude Codeはコードを書けますが、初心者が最初に決めるべきなのは「小さく動く単位」です。いきなり認証、DB、Docker、CIまで頼むと、エラーの原因が依存関係なのか、設計なのか、生成コードなのか切り分けられません。

最初の完成形は、次の4点で十分です。

  • uv run pytestでテストが通る
  • uv run ruff check .uv run ruff format .が動く
  • FastAPIなら/tasksで1件作成できる
  • CLIならtask-api add "買い物"のようにローカルで動く
flowchart LR
  A["作業ブリーフ"] --> B["uv または venv"]
  B --> C["pyproject.toml"]
  C --> D["src 配下の実装"]
  D --> E["pytest"]
  E --> F["ruff"]
  F --> G["Claude Codeに小さく修正依頼"]

ここでいうブリーフは、Claude Codeへの作業依頼書です。目的、変更してよいファイル、使うPythonバージョン、確認コマンドを書きます。harnessのような専門語を使うなら「エージェントが作業するための足場」と言い換えておくと、初心者チームでもレビューしやすくなります。

Claude Codeへ渡す依頼文

最初のプロンプトは長くなくて構いません。ただし、依存関係、テスト、実行コマンド、触ってよい範囲は必ず入れます。

このリポジトリにPython 3.12向けの小さなタスク管理APIを追加してください。

条件:
- パッケージ管理はuv、設定はpyproject.tomlに集約
- 実装はsrc/task_api/配下、テストはtests/配下
- FastAPIでPOST /tasksとGET /tasksを実装
- pytestで正常系と404系をテスト
- ruff checkとruff formatが通る形にする
- 変更前に計画を出し、変更後に実行した確認コマンドを報告する

触ってよい範囲:
- pyproject.toml
- src/task_api/**
- tests/**

この依頼文の狙いは、Claude Codeを「それっぽいコード生成」ではなく「検証まで行う実装担当」にすることです。特に初心者は、生成されたコードを読めても、プロジェクト構成の正しさまでは判断しにくいので、確認コマンドを依頼文に含めます。

既存プロジェクトで使う場合は、CLAUDE.mdの書き方ガイドも合わせて整えると、毎回同じルールを説明しなくて済みます。API設計を広げる段階ではClaude CodeでAPI開発を高速化する方法も参照してください。

uvとvenvで環境を作る

2026年時点では、個人開発や教材ではuvを使うと環境作成と依存解決が速く、説明もしやすくなります。ただし会社PCで新しいツールを入れられない場合は、標準のvenvでも構いません。大事なのは、Claude Codeに「どちらを使うか」を明示することです。

macOS/Linuxなら次の流れです。

mkdir task-api
cd task-api
uv init --app --python 3.12
uv add "fastapi[standard]"
uv add --dev pytest ruff
mkdir -p src/task_api tests
touch src/task_api/__init__.py

Windows PowerShellならディレクトリ作成だけ変えます。

mkdir task-api
cd task-api
uv init --app --python 3.12
uv add "fastapi[standard]"
uv add --dev pytest ruff
New-Item -ItemType Directory -Force src/task_api, tests
New-Item -ItemType File -Force src/task_api/__init__.py

uvが使えない場合の最小手順です。チーム記事や研修資料では、こちらも併記しておくとWindows利用者が詰まりにくくなります。

python -m venv .venv
source .venv/bin/activate
python -m pip install --upgrade pip
python -m pip install "fastapi[standard]" pytest ruff
python -m venv .venv
.\.venv\Scripts\Activate.ps1
python -m pip install --upgrade pip
python -m pip install "fastapi[standard]" pytest ruff

pyproject.tomlに設定を集める

Python初心者がつまずきやすいのは、requirements.txtsetup.cfgpytest.ini.ruff.tomlが分かれていて、どれを直せばよいか分からなくなる状態です。最初はpyproject.tomlに集約しましょう。

[project]
name = "task-api"
version = "0.1.0"
description = "Small FastAPI and CLI sample for Claude Code practice"
requires-python = ">=3.11"
dependencies = [
  "fastapi[standard]>=0.115.0",
]

[project.scripts]
task-api = "task_api.cli:main"

[dependency-groups]
dev = [
  "pytest>=8.0.0",
  "ruff>=0.8.0",
]

[build-system]
requires = ["hatchling"]
build-backend = "hatchling.build"

[tool.hatch.build.targets.wheel]
packages = ["src/task_api"]

[tool.pytest.ini_options]
testpaths = ["tests"]
pythonpath = ["src"]

[tool.ruff]
line-length = 100
target-version = "py311"

[tool.ruff.lint]
select = ["E", "F", "I", "B", "UP"]

この設定にしておくと、Claude Codeに「pyproject.tomlの設定に従って修正して」と頼めます。設定ファイルが分散しているより、差分レビューが楽です。

FastAPIとCLIを最小実装する

次のコードはDBを使わないインメモリ実装です。本番用ではありませんが、HTTP、型、テスト、エラー処理を学ぶ足場としては十分です。src/task_api/main.pyに置きます。

from fastapi import FastAPI, HTTPException
from pydantic import BaseModel, Field

app = FastAPI(title="Task API")


class TaskCreate(BaseModel):
    title: str = Field(min_length=1, max_length=80)


class Task(BaseModel):
    id: int
    title: str
    done: bool = False


_tasks: dict[int, Task] = {}
_next_id = 1


@app.post("/tasks", response_model=Task, status_code=201)
def create_task(payload: TaskCreate) -> Task:
    global _next_id
    task = Task(id=_next_id, title=payload.title)
    _tasks[task.id] = task
    _next_id += 1
    return task


@app.get("/tasks", response_model=list[Task])
def list_tasks() -> list[Task]:
    return list(_tasks.values())


@app.patch("/tasks/{task_id}/done", response_model=Task)
def mark_done(task_id: int) -> Task:
    task = _tasks.get(task_id)
    if task is None:
        raise HTTPException(status_code=404, detail="Task not found")
    updated = task.model_copy(update={"done": True})
    _tasks[task_id] = updated
    return updated

ローカルで起動します。

uv run fastapi dev src/task_api/main.py

ブラウザでhttp://127.0.0.1:8000/docsを開くと、自動生成されたAPIドキュメントからPOSTを試せます。ここまで動いてからDBを足すほうが、Claude Codeの修正も追いやすくなります。

CLIも足すなら、src/task_api/cli.pyに置きます。

import argparse
import json
from pathlib import Path

DB_PATH = Path("tasks.json")


def load_tasks() -> list[dict[str, object]]:
    if not DB_PATH.exists():
        return []
    return json.loads(DB_PATH.read_text(encoding="utf-8"))


def save_tasks(tasks: list[dict[str, object]]) -> None:
    DB_PATH.write_text(json.dumps(tasks, ensure_ascii=False, indent=2), encoding="utf-8")


def add_task(title: str) -> dict[str, object]:
    tasks = load_tasks()
    task = {"id": len(tasks) + 1, "title": title, "done": False}
    tasks.append(task)
    save_tasks(tasks)
    return task


def main() -> None:
    parser = argparse.ArgumentParser(description="Task CLI")
    subparsers = parser.add_subparsers(dest="command", required=True)

    add_parser = subparsers.add_parser("add")
    add_parser.add_argument("title")

    args = parser.parse_args()
    if args.command == "add":
        task = add_task(args.title)
        print(f"Added #{task['id']}: {task['title']}")


if __name__ == "__main__":
    main()
uv run task-api add "pytestを書く"

pytestとruffで安全に反復する

Claude Codeに何度も修正させるなら、テストとlintが先です。tests/test_main.pyを作ります。

import pytest
from fastapi.testclient import TestClient

from task_api import main
from task_api.main import app


@pytest.fixture(autouse=True)
def clean_tasks() -> None:
    main._tasks.clear()
    main._next_id = 1


def test_create_and_list_tasks() -> None:
    client = TestClient(app)

    response = client.post("/tasks", json={"title": "Write pytest"})
    assert response.status_code == 201
    assert response.json()["title"] == "Write pytest"

    list_response = client.get("/tasks")
    assert list_response.status_code == 200
    assert len(list_response.json()) == 1


def test_mark_done_returns_404_for_missing_task() -> None:
    client = TestClient(app)

    response = client.patch("/tasks/999/done")

    assert response.status_code == 404
    assert response.json()["detail"] == "Task not found"

確認コマンドは固定します。

uv run pytest
uv run ruff check .
uv run ruff format .

失敗したら、エラー全文をClaude Codeへ貼るのではなく、最初に「失敗したコマンド」「期待した結果」「変更してよい範囲」を添えます。たとえば「uv run pytestの2件目だけ直してください。API仕様は変えず、tests/test_main.pysrc/task_api/main.pyの最小差分で」と頼むと、無関係な大改修を避けやすくなります。

テスト設計を広げたい場合はClaude Codeテスト戦略完全ガイドも合わせて読むと、正常系だけで終わらないレビュー観点を作れます。

3つ以上の実用ユースケース

1つ目は、学習用APIです。FastAPIのルーティング、Pydanticによる入力検証、pytestの基本を同時に学べます。DBなしで始め、動いてからSQLiteやPostgreSQLを足すと、原因の切り分けが簡単です。

2つ目は、業務の小さな自動化CLIです。CSVの整形、ファイル名の一括変更、社内レポートの前処理などは、GUIを作るよりCLIのほうが早いことがあります。Claude Codeにargparse、ログ、エラー時の終了コードまで指定すると、使い捨てスクリプトから一段上がります。

3つ目は、既存コードのテスト追加です。動いているが怖くて直せないPythonコードに対し、Claude Codeへ「先に現状を固定するテストを書いて」と頼みます。すぐリファクタリングさせるより、壊れていないことを確認する足場が先です。

4つ目は、研修教材や社内テンプレートです。pyproject.tomlsrcレイアウト、pytestruff、確認コマンドを一式にしておくと、新人や非Webエンジニアでも同じ出発点から学べます。ClaudeCodeLabの研修・相談では、このような小さな題材をチームの実務に寄せて設計します。

失敗例と落とし穴

よくある失敗は、Claude Codeに「Pythonアプリを作って」とだけ頼むことです。これだとpippoetryuvrequirements.txtが混ざることがあります。最初にパッケージ管理を指定してください。

2つ目は、srcレイアウトなのにテストからimportできない失敗です。pythonpath = ["src"]pyproject.tomlに入れるか、パッケージとしてインストールできる設定にします。importエラーは初心者がもっとも時間を溶かしやすい部分です。

3つ目は、動くコードより先にDBや認証を足すことです。ログイン、JWT、マイグレーションを同時に生成すると、エラー時に学習になりません。まずインメモリ、次にSQLite、最後に本番DBという順番が安全です。

4つ目は、ruffの自動修正をレビューせずに受け入れることです。整形は便利ですが、未使用importの削除で将来使う予定のコードが消えることもあります。Claude Codeには「ruffの差分を説明してから適用」と頼むと安心です。

5つ目は、シークレットを貼ることです。APIキー、DBパスワード、顧客データはプロンプトに入れず、.env.exampleのようなダミー名で説明します。

収益化につなげる導線

Python記事は検索流入を取りやすい一方、単なるコマンド集だけではAdSenseにも商品導線にも弱くなります。実装コード、失敗例、検証結果、読者の次の一歩を入れて、学習体験として完結させることが大切です。

個人開発者なら、まず無料のチートシートやプロンプトテンプレートで反復練習します。何度も同じ依頼文を書く段階になったらClaude Code教材一覧を使うと、ブリーフ、レビュー、テスト依頼を型化できます。チームでPython導入、研修、既存コードの安全な改善を進める場合はClaude Code研修・相談につなげるのが自然です。

実際に試した結果

この記事で紹介した内容は、Masaが初心者向けのPython題材を作るときに使う順番で確認しました。最初にuvpyproject.tomlpytestruffを固定すると、Claude Codeの生成結果がかなりレビューしやすくなります。特に「FastAPIを先に小さく動かす」「DBや認証を後回しにする」「失敗したコマンド単位で修正を頼む」の3点は、学習者が詰まった場所を説明しやすく、記事としても研修教材としても再利用しやすいと感じました。

まとめると、Claude CodeでPython開発を始めるなら、魔法のプロンプトよりも小さな足場が重要です。環境、設定、実装、テスト、整形、確認コマンドを1つの流れにしてから、機能を少しずつ足してください。

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Masa

この記事を書いた人

Masa

Claude Codeの実務活用、導入設計、収益導線改善を検証しているエンジニア。10言語の技術メディアを運営中。

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