Use Cases (更新: 2026/6/2)

Claude CodeでKubernetesデプロイ入門:Deploymentからロールバックまで安全に進める

Claude CodeでKubernetesのDeployment、Service、Ingress、ロールバックを安全に作る実装ガイド。

Claude CodeでKubernetesデプロイ入門:Deploymentからロールバックまで安全に進める

Kubernetesデプロイを生成だけで終わらせない

Kubernetesは、コンテナ化したアプリを複数のサーバー上で動かすための仕組みです。便利な一方で、Deployment、Service、Ingress、ConfigMap、Secret、probe、resource requestなど、初心者が一度に覚えるには用語が多すぎます。Claude Codeに「KubernetesのYAMLを作って」とだけ頼むと、動くように見えても、ヘルスチェックがない、ロールバックできない、SecretをGitに置いてしまう、といった危ないマニフェストになりがちです。

この記事では、Claude Codeを「YAML自動生成ツール」ではなく「安全な足場を作り、差分をレビューする相棒」として使います。題材は、ローカルのKubernetesクラスタにも貼り付けて試せる小さなNGINXアプリです。自社アプリのDockerイメージをまだ用意していない人でも、Deployment、Service、Ingress、ConfigMap、probe、resources、rollout、rollbackの流れを手で確認できます。

公式仕様は必ず一次情報で確認してください。特に Kubernetes DeploymentsServiceIngressLiveness/Readiness/Startup probesResource managementConfigMapSecretkubectl rolloutはブックマークしておくと安心です。コンテナ作成から見直したい場合は Claude CodeとDocker連携、本番反映の自動化は Claude CodeでCI/CDパイプラインを構築、レビュー観点は Claude Codeコードレビューも合わせて読むとつながります。

3つの実用ユースケース

Kubernetes入門で最初に作るべきものは、巨大な本番構成ではありません。小さく動く単位を作り、壊し、戻せることを確認するほうが学習効率も実務価値も高くなります。

ユースケース目的Claude Codeに任せる作業
社内ツールの初回デプロイ1つのWebアプリを安全に公開するDeployment、Service、readinessProbe、resourcesの草案作成
研修・検証用クラスタ受講者が同じ手順でapplyとrollbackを体験するnamespace付きの最小マニフェスト、確認コマンド、失敗例の整理
既存アプリの本番前レビューYAMLの抜け漏れを減らすSecret混入、probe不足、requests未設定、Ingress設定のレビュー
CIでのマニフェスト確認Pull Requestで危ない変更を止めるkubectl --dry-runや差分レビューのチェックリスト作成

収益化を考えるブログや教材サイトでは、このテーマは読者の課題に直結します。「Kubernetesが怖い」という状態の読者に、コピペで動く最小例、落とし穴、相談先をセットで渡せるからです。ClaudeCodeLabでは、個人向けには無料チートシート、チーム向けには Claude Code研修・導入相談 で、こうしたデプロイ手順を実リポジトリに合わせて整えています。

Claude Codeに渡す前提メモ

Claude Codeには、最初から「何を作るか」だけでなく「何を作らないか」も渡します。特にKubernetesでは、勝手にLoadBalancerを作る、Secretを平文で書く、クラスタ固有のIngress Controller名を決め打ちする、といった出力を避ける必要があります。

Kubernetes初心者向けに、ローカルでも検証できるDeployment一式を作ってください。

前提:
- namespaceは claude-k8s-demo
- private registryは使わず nginx:1.27-alpine を使う
- ConfigMapでHTMLを1つ差し替える
- Deploymentはreplicas 2、RollingUpdate、readinessProbe、livenessProbe、resourcesを含める
- ServiceはClusterIPにする
- Ingressは任意利用として claude-k8s.local を使う
- SecretはサンプルをGitにコミットしない方針だけ説明する
- kubectl apply、rollout status、port-forward、rollbackの確認コマンドも書く

制約:
- NodePortやLoadBalancerは使わない
- Secretの実値をYAMLに書かない
- クラスタ全体に影響するClusterRoleやNamespace削除コマンドは出さない

このように頼むと、Claude Codeの出力をレビューしやすくなります。namespace、公開方法、イメージ、probe、resources、Secret方針を先に決めるだけで、危ない自動生成をかなり減らせます。プロジェクトで何度も使うなら、この前提を CLAUDE.md に移してください。CLAUDE.mdの考え方は Claude.mdベストプラクティス で詳しく整理しています。

コピペで動く最小マニフェスト

次の内容を k8s/claude-k8s-demo.yaml として保存します。ローカルのkind、minikube、Docker Desktop Kubernetes、または検証用クラスタで試せます。IngressはControllerが入っている環境だけで有効に使えますが、Serviceまでは port-forward で確認できます。

apiVersion: v1
kind: Namespace
metadata:
  name: claude-k8s-demo
---
apiVersion: v1
kind: ConfigMap
metadata:
  name: demo-page
  namespace: claude-k8s-demo
data:
  APP_ENV: "demo"
  index.html: |
    <!doctype html>
    <html lang="ja">
      <head>
        <meta charset="utf-8" />
        <title>Claude Code Kubernetes Demo</title>
      </head>
      <body>
        <h1>Claude Code Kubernetes Demo</h1>
        <p>Deployment, Service, ConfigMap, probes are running.</p>
      </body>
    </html>
---
apiVersion: apps/v1
kind: Deployment
metadata:
  name: demo-web
  namespace: claude-k8s-demo
  labels:
    app: demo-web
spec:
  replicas: 2
  revisionHistoryLimit: 5
  strategy:
    type: RollingUpdate
    rollingUpdate:
      maxSurge: 1
      maxUnavailable: 0
  selector:
    matchLabels:
      app: demo-web
  template:
    metadata:
      labels:
        app: demo-web
    spec:
      containers:
        - name: nginx
          image: nginx:1.27-alpine
          imagePullPolicy: IfNotPresent
          ports:
            - name: http
              containerPort: 80
          env:
            - name: APP_ENV
              valueFrom:
                configMapKeyRef:
                  name: demo-page
                  key: APP_ENV
          resources:
            requests:
              cpu: "50m"
              memory: "64Mi"
            limits:
              cpu: "250m"
              memory: "128Mi"
          readinessProbe:
            httpGet:
              path: /
              port: http
            initialDelaySeconds: 3
            periodSeconds: 5
            timeoutSeconds: 2
            failureThreshold: 3
          livenessProbe:
            httpGet:
              path: /
              port: http
            initialDelaySeconds: 10
            periodSeconds: 10
            timeoutSeconds: 2
            failureThreshold: 3
          volumeMounts:
            - name: demo-page
              mountPath: /usr/share/nginx/html/index.html
              subPath: index.html
              readOnly: true
      volumes:
        - name: demo-page
          configMap:
            name: demo-page
---
apiVersion: v1
kind: Service
metadata:
  name: demo-web
  namespace: claude-k8s-demo
spec:
  type: ClusterIP
  selector:
    app: demo-web
  ports:
    - name: http
      port: 80
      targetPort: http
---
apiVersion: networking.k8s.io/v1
kind: Ingress
metadata:
  name: demo-web
  namespace: claude-k8s-demo
spec:
  ingressClassName: nginx
  rules:
    - host: claude-k8s.local
      http:
        paths:
          - path: /
            pathType: Prefix
            backend:
              service:
                name: demo-web
                port:
                  name: http

初心者が見落としやすいポイントは、selector.matchLabels と Pod templateの labels を一致させることです。ここがズレるとDeploymentはPodを管理できず、Serviceも通信先を見つけられません。Claude Codeにレビューさせるときは「selector、labels、Service selectorが一致しているかを確認して」と明示してください。

ローカルで検証する手順

マニフェストを保存したら、次の順番で確認します。kubectl がクラスタにつながっていることは kubectl cluster-info で先に確認してください。

kubectl apply -f k8s/claude-k8s-demo.yaml
kubectl -n claude-k8s-demo rollout status deployment/demo-web
kubectl -n claude-k8s-demo get pods -l app=demo-web
kubectl -n claude-k8s-demo get service demo-web
kubectl -n claude-k8s-demo port-forward service/demo-web 8080:80

別のターミナルで確認します。

curl http://localhost:8080/

Ingress Controllerが入っている環境では、claude-k8s.local をローカルのhostsファイルへ向けます。ローカルクラスタの種類によりIPは違うため、まず kubectl get ingress とControllerのドキュメントを確認してください。ここを曖昧にしたままClaude Codeに任せると、環境に合わないIngress注釈が増えます。

kubectl -n claude-k8s-demo get ingress demo-web
kubectl -n claude-k8s-demo describe ingress demo-web

ConfigMapとSecretの扱い

ConfigMapは、秘密ではない設定をPodに渡すためのリソースです。今回の例では APP_ENVindex.html を入れています。DBパスワード、APIキー、セッショントークンはConfigMapに入れてはいけません。

Secretは秘密値向けのリソースですが、「Secretにしたから安全」という意味ではありません。標準のSecretはbase64表現で保存されるだけなので、Gitにコミットすれば漏えいです。実務ではクラウドのSecret Manager、External Secrets、Sealed Secrets、SOPSなどの方針をチームで決め、リポジトリには実値を置かない運用にします。

ローカル検証でSecretの形だけ作るなら、次のように生成し、secret.local.yaml.gitignore に入れます。

kubectl -n claude-k8s-demo create secret generic demo-api-secret \
  --from-literal=API_TOKEN='replace-me-locally' \
  --dry-run=client \
  -o yaml > secret.local.yaml

kubectl apply -f secret.local.yaml

Claude Codeに依頼するなら「Secretの実値は生成しない」「.envsecret.local.yamlはコミット対象外」「本番Secretは既存のSecret Managerを参照する」と書きます。この3点がないと、親切なつもりで危険なサンプル値をYAMLに埋め込むことがあります。

rolloutとrollbackを体で覚える

Deploymentの価値は、Podを増やすことだけではありません。変更を段階的に反映し、問題があれば戻せることにあります。まず正常な更新を試します。

kubectl -n claude-k8s-demo set image deployment/demo-web nginx=nginx:1.27-alpine
kubectl -n claude-k8s-demo rollout status deployment/demo-web
kubectl -n claude-k8s-demo rollout history deployment/demo-web

次に、あえて存在しないイメージへ変えて失敗を見ます。

kubectl -n claude-k8s-demo set image deployment/demo-web nginx=nginx:not-a-real-tag
kubectl -n claude-k8s-demo rollout status deployment/demo-web --timeout=30s
kubectl -n claude-k8s-demo get pods
kubectl -n claude-k8s-demo describe deployment demo-web

ImagePullBackOff が見えたら、rollbackします。

kubectl -n claude-k8s-demo rollout undo deployment/demo-web
kubectl -n claude-k8s-demo rollout status deployment/demo-web

この失敗練習は重要です。本番で初めてrollbackコマンドを打つチームは、どのrevisionへ戻るのか、ConfigMapやSecretの変更も戻るのか、監視アラートは止まるのかで迷います。Claude Codeには「rollback手順に、戻る対象と戻らない対象も書いて」と依頼してください。

CIでレビューする

Kubernetesの事故は、YAMLを手元で作った瞬間ではなく、Pull Requestで誰も気づかずに本番へ入った瞬間に起きます。最低限、CIで構文とdry-runを確認し、Claude Codeには差分レビューの観点を出させます。

name: Kubernetes manifest review

on:
  pull_request:
    paths:
      - "k8s/**"

jobs:
  dry-run:
    runs-on: ubuntu-latest
    steps:
      - uses: actions/checkout@v4
      - uses: azure/setup-kubectl@v4
        with:
          version: "v1.30.0"
      - name: Client-side dry run
        run: kubectl apply --dry-run=client -f k8s/

CIの後にClaude Codeへ渡すレビュー指示は次のようにします。

このPull Requestのk8s/配下だけをレビューしてください。
特に以下を確認してください。
- Secretの実値やbase64化した秘密値がコミットされていないか
- Deploymentのselector、template labels、Service selectorが一致しているか
- readinessProbeとlivenessProbeがあり、pathとportが実際のアプリに合うか
- resources.requestsとlimitsが設定されているか
- Ingressが環境固有のannotationを勝手に増やしていないか
- rollout失敗時のrollback手順がREADMEにあるか

よくある失敗と避け方

1つ目は、latest タグを本番に使うことです。どのイメージが動いているか追えなくなり、rollbackの意味が薄れます。Git SHAやリリース番号のタグを使いましょう。

2つ目は、readinessProbeとlivenessProbeを同じ意味で使うことです。readinessは「Serviceの通信先に入れてよいか」、livenessは「再起動すべきか」を判断します。DB一時障害でlivenessを落とすと、Pod再起動が連鎖することがあります。

3つ目は、resourcesを未設定にすることです。requestsがないとスケジューラは必要量を判断しにくく、limitsが極端だとOOMKilledやCPU throttlingを招きます。最初は小さく置き、実測で調整します。

4つ目は、Secretをbase64にしただけで安全だと思うことです。base64は暗号化ではありません。レビューでは「秘密値が見えないか」だけでなく「生成手順が安全か」も見ます。

5つ目は、Ingressを先に疑うことです。外から見えないときは、Pod、Service、port-forward、Ingressの順に切り分けます。Serviceで到達できないものはIngressでも直りません。

6つ目は、Claude Codeの生成物をそのまま本番へ入れることです。AIはクラスタの現実、予算、監査要件、既存のIngress Controllerを知りません。必ず公式ドキュメント、CI、レビュー、検証ログで補強してください。

研修・相談で実リポジトリへ落とし込む

この記事のYAMLは学習用の最小構成です。実務では、Dockerfile、イメージタグ、namespace設計、Ingress Controller、TLS、Secret管理、監視、権限、CI/CD、障害時の連絡フローまでつながります。個人で学ぶなら 無料チートシート と関連記事で十分始められます。チームで導入するなら、Claude Codeへの指示、CLAUDE.md、レビュー観点、CIゲート、rollback演習を同じルールにそろえる必要があります。

ClaudeCodeLabの Claude Code研修・導入相談 では、実際のリポジトリを見ながら、Kubernetesマニフェストの棚卸し、Secretの扱い、CIレビュー、Claude Codeプロンプト、チーム向けハンズオンまで整理できます。単発のYAML生成ではなく、チームが安全に変更を積み上げられる運用にすることが目的です。

実際に試した結果

この記事の手順は、ローカルクラスタで「apply、rollout status、Serviceへのport-forward、curl、存在しないイメージへの更新、rollout undo」という順番で確認する前提にしました。試してみると、初心者が一番つまずくのはIngressではなく、selectorとlabelの不一致、probeのpath間違い、Secretサンプルの扱いでした。Claude Codeには最初から「安全な公開範囲」「Secret禁止」「rollback確認」を書くほうが、後からYAMLを直すより速く、レビューもしやすくなります。

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Masa

この記事を書いた人

Masa

Claude Codeの実務活用、導入設計、収益導線改善を検証しているエンジニア。10言語の技術メディアを運営中。

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